あっという間に金木犀、さるすべり、風情豊かな萩の花もこぼれ散り日毎に深まる秋・・・・。 今日は晴天に恵まれ年一回の植木職人が来る日。 早朝クレーンのついた大きなトラックに長いはしご、切り込み用の沢山の道具、二人の職人は仕事にとりかかりました。 私は早速、日あたりの良い縁側に腰を下ろし眺めています。小鳥のさえずり、はさみの切り込みの音だけがぱちぱち静かにあたりを通してなんとのどかな気分。 長い生垣数多い細かい植え込みの枝切り、つるべ落としの日の暮れも早く一日目はやっと終わりました。 翌朝、二回目高く大きな古木の枝切り、ことに毎年春一番に紅梅大空一面に桃色に咲き、毎年楽しませてくれるのですが枯れ枝も多いので今年は初めての思い切っての切り込み。 職人さんが念を押すように“さぁ、はじめますよ” “はい良いですよ切ってください・・・・・。” 見る間に大きな枝が山と切り落とされ私はなんとなく罪悪感を感じ見守りながら心配でどきどきしました。 見上げる古木、大きな幹のような枝だけがひろがり何と不気味な醜い姿が立っているようで淋しく可哀想に思いました。 切り落とされた大きな枝の小枝より一杯来春一番に咲く小さな蕾が沢山ついていました。 私は未練がましく見つめました。 職人さんは“紅梅の木のために良い事で新芽によって古木が若返りますよ・・・。” 私はひとまず安心、いつか又大空に咲き誇り“紅梅さん頑張ってね”と一言。 長い年月に大きくなった立派な五葉松、梅、桜、紅葉沢山の木に囲まれ毎日見る数多い自然の庭木は老年の私に常に感謝の念、頑張りの心、無心の安らかな気持ちを教えてくれ一日一日の生活の暮らしを励ましてくれます。 現代は大変な文明の社会でありながら毎日国内外は不気味なニュース事件が多く、又各国の争い絶える事無く悩む事の多い人間模様。 静かな自然界は一番何か心安らぐ事を教えてくれるような気がします。 沢山の枝葉、雑草取り除き色とりどりの小菊、ほととぎす、今も静かに咲きおだやかな日です。
皆様、晩秋もちかく朝夕寒くなりますのでくれぐれも御身体大切に致して下さいませ。
豊月(ほうげつ)
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