“お客さん、困るよぅ〜!困っちゃうんだよねぇ〜営業妨害だよぅ〜”タクシーの運転手さんが必ずこう嘆いたものでした!
行き先を乗り込む前に告げれば、まぁ〜拒否されることは決定的!
1985年以降のニッポンは後に平成のバブル期と言われた年でございます。
六本木・赤坂・銀座などなど、繁華街近くは夜ともなれば、両手をあげようが足をあげようが踊ろうがタクシーなんぞ、ス〜イス〜イと無視して通り過ぎて行くそんな時代でございました。
まして、万が一、運よくタクシーが目の前で止まったとしても“運転手さ〜ん、四谷三丁目・荒木町まで〜お願い!”と言ったトタンに、無言でドアがバタンと閉まりふかすようにブイ〜ンブィ〜ンと走り去って行くぅ・・・・・。
四谷三丁目はタクシーの運転手さんにとって当時はきっと魔のスポットだったのでしょう。
乗車するたびに、どの運転手さんもよ〜く言っていたことがありましたぁ。
繁華街のどこからも近い四谷三丁目は大変便利な場所にあるために、明け方近くまで働かれる多くの水商売の方々が多く住まうエリアだからねぇ。
稼ぎ時の深夜のワンメーター距離のエリアはまさに乗車拒否トラブル発生大のエリアだったんですねぇ〜。
そうそう、タクシーの運転手さんは、深夜は遠距離を狙っていましたから、かなり遠くからでも乗車するお客が手をおおげさに大きくあげるなど派手な動作で叫んでいる人は近距離、物静かにむっつりうつむきながら、手をだしているのかいないのか?ゾンビのような動作の人はたいてい遠距離の人だと言っておりました。
それ以来、TAGOSはバカ正直に真に受けて“うらめしや〜のお化けのように深夜つったっていたら、なんと!これが確かにとまる確率が高かったのを覚えています。
もっとも繁華街の近くは激しいバトル!いやいやタクシー争奪戦でございましたねぇ〜。
というように、近くてなかなか辿り着けない四谷、荒木町は最初から飲みに行くところではなく2次、3次、繁華街の喧騒から離れシックリしっとり締めるにはちょうどの場所でもありました。
先日、真昼の荒木町、蔦からまるビルを見上げる津の守弁天財横のわずかなスペースにある“策(むち)の池”
のんびりと池に浮いたり沈んでいる大きなスッポンを見ながら、ベンチに座っておりました。
んまぁ〜なにしろ今は箱庭のようにこじんまり!滝は今やありませんが、この場所は時を忘れたかのような滝壺のあとの小さな池。
う〜ん、池の前には廃業してもいまだ静かに佇む、料亭の“雪村”の姿。
荒木町は大正から昭和のはじめ頃、東京でも有数の花街・三業地(料理屋・待合・芸者の置屋)でございます。
さらに江戸時代は松平摂津守のお屋敷、そのお屋敷は広大で、荒木町の東側、津の守坂から、外苑東通りの西側、いまの舟町あたりまで及んでいたらしく、その屋敷にあった大きな庭園に大きな池があり、時代とともに水がひき、階段が多いすりばち状の地形になっているんですねぇ。
四谷三丁目交差点を通る新宿大通り、外苑東通り、津の守坂通りの三方に囲まれながら、表からは荒木町の存在すらわかりませ〜ん!!
そんなポッカリ窪んで隠れて見えない大変ユニークな荒木町の今は昔の物語・・・・・・。
今も昼時の荒木町は、とっても静か!というよりいつも閑散としていると言ったほうがいいでしょうか!
メイン通りの車力門通り、そして杉大門通りには小さな飲食店、、割烹が軒をつらね、昔の風情を残しているし裏路地周辺はフランチャイズではない新旧のユニークな居酒屋、、ロックバー、ジャズバー、ブルースバー、ソウルバー、フランス料理、イタリア料理、スペイン料理、インド料理店もありますが、ヤッパリ昼の荒木町はえっちらおっちらと坂を楽しみゆったり歩く散策の町。
50年目を迎えた、とんかつ屋さんの“鈴新”の店主が中心となって、昨年より“石畳オーナー”をつのっておりますよね。
昭和45年まで新宿通りを走っていた都電のレール下の石は一部、の石畳として再利用されていますが、次なるは新宿通りの新舗装でいらなくなった廃材のレンガを再利用して殺風景なコンクリート
の路地に活用しようという街おこし!
その“鈴新”の店も前にポッカリ空いた空き地があります。
ん〜思い出した!この空き地はかっては3件の店が入っていたビルでございました。
2年前の2月24日に閉店してしまったんですねぇ〜。いかにも趣きあるたたずまいだった荒木町の鰻の名店“うな浜”
プワ〜外からでもいつもおいしい鰻の匂いがぁ!
おぉ〜それだけではありませんでしたぁ!店を閉じてしまっていたのは!
次回もまた新旧入れ変わる四谷・荒木町周辺のヒトリゴト。
☆Spencer Davis Group - Gimme Some Lovin 1966年
http://www.youtube.com/watch?v=VxA3atHD2QM●スペイン今月の写真5月号NEW UP。今回のテーマは 地方の”お祭り”です。 癒しの写真館右上からお入りください。