どんぶりの中に宇宙があーる。それは、外側がたとえ、同じどんぶりでも、その中に入れるモノによって多くのドラマが始まるからです。ハイ、それはどんぶりの中身が牛丼、ラーメン、うどん、親子どん等など。あらゆる種類の中身が、かぞえられないくらいのアイデアと技の組あわせにより、それぞれ、まったく違った独特の店の味になっていきます。この小さなどんぶりの中に、計り知れない多くの人の努力と夢がつまっているのですね。。小さな器の中の宇宙で繰り広げられる、味をめぐってのドラマティックなスターウォーズなのです。その中から、戦いを征して、どんぶり店のまさに新しいスターが出現してくるのですねー。どんぶりモノは早さが勝負。日本の誇れるファストフードです。でも、早さが勝負で中身ばかりが主役になってしまっても、少し困ったことになります。。お店に入って、食する器を、鑑賞しながら、「けっこうな、どんぶりですねー」などと、言うことも、目もくれぬこともなく、いきなりガーっと食する習慣があたりまえになってしまわないかぁーということです。古典落語にもでてきますね。人の家を訪ねた時、どのように何をほめるかをご隠居に練習させられるお話。ほめ言葉は、礼節を重んじる、日本人の智恵だったのですねー。でも、実際、牛丼屋で、しげしげと、どんぶりを見ながら「けっこうなどんぶりですねー」っていっている光景はやはり変な人ですよね。時と場所を考えながら、そういう、日本人のもつ、繊細な気持ちをいつまでも忘れずに大切にしたいものだと思うのです。うーん?あれ?誰ですか?言ったそばから楊枝を口にくわえてチューチュー音を立てている人は。
|